新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

報道されない日本の対外投資

2月4日号のFinance and economicsには、アメリカで日本の大手銀行が行っている投資行動についての興味深い記事が出ています。曰く、80年代後半からの目立つばかりで損も多かった大規模投資とは違い、慎重で、少数株主として金融分野に限った投資を続けている、というのです。

なぜアメリカの金融分野?という話ですが、良く考えてみれば世界最高水準の知見とシステムを使い、最も合理的なリスク管理ができる市場なわけですから、ハイリスク・ハイリターンを志向して新興国の金融分野へと投資を振り向けるのとは異なった動機が働くのもうなずけると思うのです。

おりしも貿易収支の不調が伝えられ、短期的な改善が難しいとの予測もある中、21世紀中葉の日本を下支えする経済基盤の構築は、健全な外国投資による安定的な資本収支の流れを形作ること、につきると思われます。その意味では、このような銀行の投資行動に注目することは大変意味があると思うのですが、なぜか日本国内ではあまり報道されませんね。