新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

溶けてしまえば

6月16日号の特集記事は北極の氷が溶けること、についてです。
震災以降ぐっと少なくなったかもしれませんが、地球温暖化、もしくは気候変動については日本でもそこそこ話題になっている(いた)わけですが、特に今週ブラジルで「リオ+20」と呼ばれる環境サミットが開催されると言う流れの中、The Economistはピンポイントで北極海の氷が溶けることの功罪を取り上げています。これはその経済効果に正負の両面があり、どう考えてもマイナス要素のほうが大きいという意味において、他の環境問題と本質を同じくする部分が大きく、かつ緊急性が高くそしてその気になればまだ対策が間に合う、という性格がとても象徴的だからではないかと思っています。

同じ国際会議にしても、日本のメディアはG-20への野田総理の出席ばかりが取り上げられ、しかもTPP問題は事実上棚上げされたかのような報道ばかり。消費税問題が大きいのも、原発再稼働問題が深刻なのも判るのですが、ジャーナリズムが政府の始末にかまけてばかりでは、ずるずると議論のレベルが低下するばかりではないかと思ってしまいます。