新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

やっぱり世襲?

4月6日号のAsiaには、中央アジアの大国・ウズベキスタンと隣国カザフスタンの指導者が抱える似たような悩みについての比較記事が出ています。以前私も両国に関わったことがありまして、関心を持って記事を読みました。

いずれの国も、広い意味で「トルコ系」とされる国なのですが、言語的に近いということ以外にも似ているところがあると言うことかなと思います(人々の顔つきは、ちょっと違うんですけどね)。

まず、いずれの国も強力な大統領の指導力のもと、しっかりした官僚機構を持っていること。次にその大統領がいずれも旧ソ連時代のトップであったこと、従ってその時代からもうすでに四半世紀に及ぶ長期政権になっていること、そしてその大統領は二人とも70歳を超え、特にウズベキスタンのカリモフ大統領は健康に不安を抱えるなど、世代交代が議論される段階に来ていることなどについて、記事は両国共通の悩みとして伝えています。

さすがに共産党時代の一党独裁ではなくなったため、政治的には野党が存在していまして、もしくは政権内部にも有力な政治家や官僚はいるらしいのですが、記事が注目するのはカリモフ大統領の娘さんで、ドレスを着たアップの写真まで出ているのですが、歌手でデザイナーで起業家で外交官(!)だという彼女も、後継者候補の一人と目されているのだとか。ちなみにカザフスタンのナザルバエフ大統領にもお嬢さんがいるのだそうで、そんなとこまで似ている、というのは話のオチではないと思うのですが。

世襲になったにせよそうでないにせよ、これらの国々が持つしっかりした統治制度はちょっとやそこらのことでは揺るがないと思います。権威的であり、統制的であり、官僚的といえばそうなのですが、間違いなく安定的であり、持続的であり、効率的かどうかはわからないまでも着実な効果を上げているシステムです。だとしたら、美人のお嬢さんへの世襲もあり、なのかもしれません。