バイオマスの神話
4月6日号のBusinessには、EUで注目されているバイオマスエネルギー、もしくは木材の燃料化についての興味深い記事があります。
記事によると、ヨーロッパは太陽光(すでに世界の発電能力の3/4を保有)や風力など、再生可能エネルギーへの対応を進めてきたのだが、ここへきて木材を燃料として石炭火力発電所で使用する動きが高まっているとのことです。
バイオマスエネルギーは、植林すれば放出した二酸化炭素を回収可能だと言うロジックから「カーボンニュートラル」だとされていて、石炭と混ぜて炊けばその分CO2排出量が削減できるだろうと言う話ですね。曇りの日や無風の日でも止まることなく、新たな設備投資も不要なため、言ってみれば「経済にやさしい」再生可能エネルギーだということなのですが、しかし。
木材再生までに長い年月がかかること、燃焼プロセスそのものだけを評価すればむしろ石炭よりトン当たりのCO2排出量が多いこと、植林に土地を使えばその土地は他の目的には使えないこと(あたりまえですが)など、バイオマスが何より素晴らしい優等生というわけではなさそうです。
EUは補助金を出してバイオマスエネルギーの導入を支援しているようですが、CO2対策は長い年月をかけても良い、という判断なんでしょうかね。ま、植林が増えること自体は悪いことではないような気もするのですが。