新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

孫文生誕150周年

11月5日号のThe Economistについて、これまでため息と徒労感ばかりが先行したアメリカ大統領選挙がいよいよ大詰めということもあってか、さすがに今週号は関連記事が分厚いのですが、今日はあえてその流れとは一線を画した「孫文生誕150年」についてBanyanが伝える内容を取り上げたいと思います。

www.economist.com

孫文、というのはどうやら国際的に使われている名前ではないようで(ポルポト派、とかMoutakutouなどのように、海外では通じない言い方のひとつ?)Sun Yat-sen(孫逸仙)というのがThe Economistが使う呼称です。なお、中国では孫中山と標記されることが多いのだそうですが、Wikipediaによるとこの名前は日本に亡命していた時に見かけた国会議員の家の表札から取ったものなのだとか。

孫文 - Wikipedia

「統一と民主主義と繁栄」を追い求めた孫文

いずれにせよ、建国の父たる孫文の、今年は生誕150年に当たるのだそうで、共産党と激しく争った国民党を作った人、のはずが今や彼を建国の父と称えるのは中共政府、他方で台湾は現政権に強いと言われる独立志向の考え方がそうさせるのか、今一つ冷ややかな扱いだそうです。ちなみに、マカオやペナンなど、彼の時代の中国が今でも息づいている各地では孫文に関する行事も多かったりするようです。

ソ連と組んだり、袁世凱に利用されたりと、毀誉褒貶相半ばする人生でもあったようですが、三つの目標が今でも生きているとすれば、中共政府も台湾政府も国父が求めたものと少しずつ違った道を歩んできてしまっていることになりますね。