米中貿易戦争なるものの実態は
3月31日号のThe Economistは、Finance and economicsの中で、米中間の貿易を巡る最近の動きについて俯瞰的な分析をしてくれています。
よく言われる関税について、アメリカがいきなり一方的に多くの品物について関税を掛けるようになるというわけではなく、WTOを舞台とした交渉、二国間協議、議会における通商301条の適用審議などさまざまな取組の中でひとつの可能性として準備されているものということで、すんなりそのまま実現するものではないだろうとのこと。
アメリカは投資家に知的財産権の開示を求める中国のやり方が、貿易面でのヘゲモニーを奪い取られることになることへの危惧が強いようです。他方で中国から見れば、さまざまな障害(アメリカから見れば貿易不均衡是正策)が導入されたとして、本当に不均衡は是正されるのか、されない場合さらなる貿易環境の悪化につながることへの警戒は強いだろうと思われます。
記事が総括するのは、いずれの側も交渉を勝利と結論付ける宿命を負っていて、その調整は簡単ではないだろうとのこと。
日本のメディアも事実関係だけは伝えてくれているので、目新しい情報があるわけではないのですが、今後の見通しや政策の評価についてのコメントが乏しいものばかりで、どうもよくわからない場合が多いのですが、The Economistのように解説混じりの記事だとある程度納得感を感じながら読めるのがありがたいです。