新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

年較差の話

今日は、The Economist電子版で目を引いた記事について。

www.economist.com

記事ではオランダの大学の研究者が発表した内容が参照されていますが、地球温暖化(ではなく、気候変動と言った方がより正確だと思われるので、以降はこのブログでもそう書きます)による影響は国や地方によって異なり、年較差の変動も無視できない大きさになるとのこと。たとえばブラジルでは、2100年までに今より2割も年較差(年間の最高気温と最低気温の差)が大きくなるだろうと予測されています。

ざっくりとした分析では、温帯以北に多く分布している先進国ではその度合いが低く、亜熱帯以南に多い途上国でその度合いが高くなっているとの読み解きもあります。

いずれにしても2割とはちょっとびっくりで、仮に夏35度、冬-5度になる土地があったとして、元々の年較差は40度なわけですが、2割増しだとこの格差が48度になるということですから、たとえば夏が38度、冬が-10度くらいになるという計算です。日本は地理的にあてはまらないので大丈夫、みたいな解釈があるのかもしれませんが(なので、日本のメディアはこういう報道にあまり注目しない)、世界的には「だから先進国は対策費をもっと払え」、みたいな論調があるとして、この記事や研究報告はそれを下支えするものになるのかもしれません。日本もまた、そういう社会で生きているということを、明示的に認識できることの重要さをこの記事は物語っているのかなと。