新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

2012-01-01から1年間の記事一覧

経営者の対価

9月8日号のSchumpeterは、最近下がったとも言われるアメリカのCEOたちがもらっている年俸のお話です。 確かに上がってはいないようですが、大企業だと平均して8.5百万ドルほどの数字になるそうで、雇用が振るわないアメリカにあって、これは如何なものかと思…

日本に夢はあるか

9月8日号のUnited Statesは、トップ記事でアメリカ民主党の党大会について取り上げています。クリントン元大統領やミシェル・オバマ大統領夫人の演説など、比較的好感を以て迎えられたものが多かったようで、党大会での議論やその後の世論についての厳しい記…

決裂に続くもの

ネットでは9月8日号が流れています。 Leadersは、アジア新興国の福祉政策について、WTOドーハラウンドの後始末について、イギリスの大学について、ユーロ危機について、新興市場と医薬品についてという内容になっています。その中で、ドーハラウンドの失敗と…

人類初の月面到達者、死す

9月1日号のObituaryは、先日82歳で亡くなられたアポロ11号のニール・アームストロング船長についてその生前の様子が紹介されています。ごくごくまじめな方だったようで、宇宙飛行士はヒーローではなく、大きな組織がやり遂げる大きな仕事の一端を任されるに…

助けるべきか、助けざるべきか

9月1日号のFree Exchangeは、世界の貧困層がどのような国に分布しているかと言う分析に基づく国際支援の役割について、興味深い報告を載せています。曰く、貧困層は最貧国に多いかと言うと実はそうではなく、中国やインドもそうですが、中間所得国にこそ多く…

北極の氷が溶けると

だいぶ間が空いてしまいました。一寸の間、日本にいるので少し集中的に読んでみようと思っています。さて、9月1日号のBanyanは、アジアの記事が入る欄なのですが、北極海の氷が溶けるとどうなるかという話を、地域経済の視点から追いかけています。すなわち…

ASEANのひびわれ

8月18日号のAsiaには、南沙諸島・西沙諸島を巡る中国との対立への懸念を共同声明に織り込めなかったASEAN内部の確執とその限界についての記事が出ています。インドネシア・フィリピン・ブルネイそしておそらくはベトナムあたりが主張した文書による懸念の表…

旗幟鮮明

ネットでは8月18日号が流れています。Leadersの中身をみると、微生物が構成する人体構造について、アメリカ共和党の副大統領候補にきまったポール・ライアン氏について、軍に対して指導的な立場を取ろうとするエジプトのモルシ新大統領について、政府の高コ…

想像力の限界

8月11日号のScience and technologyには、アフリカで見つかった新たな古生人類の化石と、人間の進化についての記事が出ています。それによると、4万年前まで地球上にはネアンデルタールやジャワ原人など、私たち現生人類と遺伝子的に繋がりのない「人類」が…

ユーロ解体へのロードマップ

8月11日号前半のBriefingは、すでに現状維持が極めて難しくなったと考えられる統一通貨ユーロの今後について、ドイツのメルケル首相に宛てた手紙の形を取って語られています。それによると、どう頑張ってもギリシャを始めとする重債務国をユーロ内に留めてお…

ユーロが崩壊する日?

ネットでは8月11日号が流れています。 Leadersですが、ユーロ危機に伴い真実味を持ってささやかれるその解体とドイツ・メルケル首相の選択について、北朝鮮に覗える変化の兆しについて、コンピュータを使った高頻度株取引とその弊害について、中国の年金制度…

インドと電力とインフラと

8月4日号のAsiaには、先ごろインドで発生した大規模停電により明らかになった同国の電力事情と、そしてインフラそのものを巡る大きな矛盾についての記事が出ています。 なんでも7月31日のこと、突如発生した大規模停電により地下鉄が止まってしまい、乗客は…

Huaweiを知っていますか

8月4日号のLeadersと特集では、中国のエレクトロニクス・通信大手の華為技術有限公司が取り上げられています。特に電話機の分野ではエリクソンを抜いて世界最大のメーカーになった同社は、世界各国で14万人の従業員を擁する超大企業なのですが、日本で華為と…

日本の足跡

ネットでは8月4日号が流れています。Leadersは中国の多国籍企業、Huaweiについてやロンドンオリンピック、ロムニー候補外遊、インドの電力インフラその他満載ですが、その前にFinance and economicsで目立つ記事を見つけたのですが、それは「日本からのレッ…

オリンピックの経済学

7月28日号のFinance and economicsには、オリンピックのメダル獲得数を経済学的に見てみれば、という記事があります。おおよそ人口と一人当たりGDPに比例することに加え、前回大会の成績というのも結構影響しているそうです。さらにかつての共産圏諸国には、…

オリンピックは何のために

7月28日号のBritainでは、ロンドンオリンピックを巡る裏話や招致の背景などについて、興味深いお話が紹介されています。 まずは、大会前の警備で日本でも報道されたミサイルの設置について。開会式の花火の熱がミサイルを発射させかねないとのリスクが直前に…

米大統領選、加速

またまた少し間が空いてしまいました。ネットでは7月28日号が流れています。leadersのトップはいよいよ11月に近づいた米大統領選の争点について。 オバマ大統領が公的な仕事の経験ばかりで、「大きな政府」を厭わないのに対して、金融事業で財をなしたロムニ…

反原発デモについて

ちょっと間が開いてしまいました。 7月21日号のAsiaには、日本の首相官邸前や代々木公園で行われている反原発デモに関する報道があります。で、読者コメントが意外に冷静で、日本の民主主義が事態の透明性確保に好作用を及ぼすことを期待するという原発推進…

特殊経済特区

ちょっと間が空いてしまいました。7月7日号のFinance and economicsには、中国の深セン経済特区の一角にある、まだ何も作られていない土地に絡む興味深いお話が出ています。開業済みの地下鉄の駅を上がるとそこには何もない土地があり、計画では高度付加価値…

宇宙と観光

6月30日号のScience and technologyには、宇宙開発競争の新たな局面として観光が取り上げられ、ロシアが積極的に取り組んでいるとの情報があります。昨年から今年にかけて、国際宇宙ステーションへの民間企業による輸送ロケットを使った物資の運搬や、ごく短…

真の富とは〜Japan as No. 1 再び?〜

6月30日号のFree exchangeは、国連がまとめた国家の富に関する報告書について大変興味深い論評をしています。ケンブリッジ大学のダスグプタ教授がまとめたその報告書は、GDPなど言わば「短期的収益」の指標に加えて、国富の大きさ、すなわちバランスシート的…

BOPがビジネスにもたらすもの

6月30日号のBusinessには、アメリカの、いや世界の二大食品・日用品メーカーであるP&Gとユニリーバの明暗と、いわゆるBOPビジネスがそれに与えた影響について興味深い分析をしてくれています。この両者は食品から洗剤、化粧品まで日々の家庭生活で使われるさ…

ロンドンの、これまでとそしてこれから

6月30日号のLeadersトップと特集記事は、オリンピックが近いと言うこともあってか、ロンドンを取り上げています。The Economistはイギリスの週刊誌ということもあって、さすがに力の入り方が違う感じもします。曰く、ニューヨークに譲る部分はあっても、世界…

欧州中銀の、悩み深い立場

6月23日号のFinance and economicsには、金融政策を巡る対応が鈍くなりつつある欧州中銀と、量的緩和政策を続ける米連邦準備制度理事会という二つの大きな中央銀行の対応についてそれぞれ別の記事が出ています。 欧州中銀は、雑駁に言えば経済建て直しが必要…

勝負の流れ

6月23日号のCharlemagneは、欧州危機の今後をドイツ主導の銀行組合結成と地道な努力による信頼の回復に託さざるを得ない現状と、それが物語るドイツ主導のヨーロッパ経済という近未来について示唆的な論評を載せています。今週後半に行われる欧州首脳会議で…

資本逃避は日本を襲うのか

6月23日号のAsiaには、消費税増税問題が焦点となっている日本についての記事が出ています。曰く、消費税を上げるのは良いとして、2014年に政治家から待ったがかかりかねないのはどうしたものか。曰く、再生可能エネルギーなどの成長戦略があまりに貧弱で、経…

キケン、キケン

ネットでは6月23日号が流れています。Leadersのトップはエジプトの大統領選挙についての記事です。以下サウジアラビアの皇太子死去、メキシコの大統領選挙、ユーロ危機、フランス新大統領について、という内容になっておりまして、やや読者コメントの数が伸…

惑星限界、とでも言うのかな

6月16日号のScience and technologyは、現在ブラジルで国連環境サミット"Rio+20"が開かれていることもあり、地球環境に関する興味深い話題を提供してくれています。元々は不調に終わったコペンハーゲンでの地球温暖化対策会議で提案された考え方だそうですが…

世界は日本を追う

6月16日号のButtonwoodは、年金制度の将来について、どこかで読んだような記事が出ています。すなわち、支払いが滞り年金会計が厳しくなっている、若者は思ったほどの便益を受けない、人々は長く働かなくてはいけなくなる、と言ったお話で、一寸前の日本の公…

ものづくり、それとも?

6月16日号のSchumpeterは、日本の自動車産業を取り上げて、技術屋さんたちが示すモノづくりへの高度な執念を「行き過ぎ」ではないかと、それよりも消費者が欲しがるモノを提供するマーケティングに資源を振り向けるべきでは、という意見を示しています。興味…