新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

司法のあり方

8月25日号のUnited Statesのページには、アルカイダに入ったアメリカ人、ホセ・パディラ容疑者(自称アブドラ・アル=ムハジール)がアメリカの司法当局によって裁かれつつあることが報告されています。最終的な判決は12月に言い渡され、終身刑になる見込みが強いようですが、問題はそこではなく、最初は2002年に参考人として捉えられ、特に何の罪にも問われていなかった容疑者が、ブッシュ大統領により「敵の戦闘員」と判断されたためサウスカロライナにある営倉に送られたことに端を発するもので、米国市民が特定の容疑もなく憲法違反の疑いさえある形で無期限に拘束されることについて、異論を唱えた人もいたようです。先例は、たとえ米国市民であっても敵の戦闘員として拘束される場合はあるが、それでもなおかつ司法によって正当に裁かれる権利を有する、と言うものだったようで、バディラ容疑者もこの例に倣って通常の裁判所で裁かれているそうです。営倉送りをきちんと正したという点で、司法の健全性は保たれていると言えるように思います。