新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

ランキングと死刑とスタウフェンバーグについて

遅れて配達された9月1日号を手にとって眺め始めたのですが、最初のほうで目に付いた記事をならべると表題のようになります。まずLeadersですが快進撃を続けるGoogleとその成長への疑問について。詳細な記事がBriefingにあるようです。そしてなぜアメリカのイスラムが欧州より自由なのか、サルコジ仏新大統領の決意と世界観、独立50年を迎えたマレーシア(そも、何でこの記事がLeadersにあるのか?一寸興味深い点です)、ゴンザレス司法長官辞任に見るブッシュ政権の落日など。マレーシアの記事が位置的に興味を引かれましたけど、それを含めてアングロサクソンの世界観(イスラムへの視点など)を再認識させられた以外はびっくりするような内容ではありませんでした。

興味を引かれたのはLettersで、クラウス・シェンク・フォン・スタウフェンバーグ(二次大戦末期にヒトラー暗殺を企てたドイツ人)を描いた映画への期待をThe Economistが書いたことに対して「彼は必ずしも英雄ではない。」との意見が8月18日号のLettersに出ていたのですが、それへの反論やコメントが複数のドイツ在住者から寄せられたことです。同じことが旧大日本帝国の中枢に対して起ったら(たとえば宮本賢治の映画ができたら)、果たしてそんな論争は起きるのか?

あと、インターネットではThe Economistお得意の各種ランキングが発表されたようです。「ビッグマックインデックス」(その国でビッグマックがいくらなのかに基づいた購買力補正値。信頼性には欠けるが話題性と判りやすさがある)も載っているようです。

もうひとつはアメリカの死刑制度について。驚いたことに、死刑制度を有する多くの州では、逮捕されて死刑囚になってもかなりの間生存するんですね。日本も同じかもしれませんが。たとえばワルが一人居て、スラムで事件に巻き込まれて殺される確率のほうが、死刑執行されるよりも高い、みたいな分析すらあるようで、そうならば死刑になったほうがまし(失効までかなりの間、安全と生存は保証される)、という逆説もなりたつくらいに。

死刑制度への賛否は国際的にみると大きく分かれていますが、西欧は多くの国が死刑を廃止しており、The Economistも同様の意見なようです。アングロサクソンの志向するグローバリズムにおいて、死刑廃止もまた例外ではないでしょう。では日本はどうすべきか?私個人的には日本における死刑廃止には反対、なのですが。この意見でもLettersに投稿してみようかな?