新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

こんなところまでエネルギー

アフリカのサハラ砂漠の北西に、ニジェールという国があります。9月15日号のMiddle East and Africaでは、ニジェールと隣接するマリ、アルジェリア、リビアにかけて住んでいるトゥアレグ族の一部と政府軍との緊張が報告されています。ニジェールの北西部を押さえたトゥアレグを支持する勢力があるのは、実はニジェールが年間3500トンものウラン鉱石を産出しているから、という理由付けがされています。何もないニジェール北部を押さえるのは、それはそれで意味がある、ということなのです。その他にも金や原油など、鉱物資源の豊富なこの国で、資源を巡った争いはある意味で途上国が抱える典型的な弱みとも言えます。ウラン鉱石を巡っては、現地で働く中国人労働者が反政府軍に誘拐されたと言う事件もあったそうです(日本のメディアでは速報するところは少ないニュースでしょうね)。エネルギーをその一因として、また新たな争いが途上国の疲弊を招いてゆく。最低限、起きていることに目を配るくらいのことはしても良いように思うんですけどね、たとえそれが遠いアフリカの出来事だったとしても。