新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

よく見た顔

連休の関係やら何やらで、不定期な書き込みになっています。本来なら9月22日号の記事にコメントすべきところですが、15日号をようやく読み終えたので、まずそちらを。

Face valueのページに横顔が載っていたのは、GMとの提携に成功していれば後光がさしていたかもしれない自動車業界のカリスマ経営者、カルロス・ゴーン氏でした。レバノン系ブラジル人としてフランスで教育を受け、5ヶ国語をあやつる彼はルノー・日産グループの総帥として「規模の経済」を追求する経営で日産をV字回復に導いたことは記憶に新しいところですが、その後日産を巡って聞こえる新車開発の遅れや、結局GMとの交渉に成功しなかったことなどで、さしものコスモポリタンも、いささか往時の勢いを失いつつあるようにも見えます。そうはいっても、現在の自動車業界においては彼を上回る強烈な個性の経営者が不在であることもまた事実のようで、パリと東京を往復する激務の中、苦闘しながらなんとかやっていることへに対する尊敬もにじみ出るような記事でした。

Obituaryでは、やはりというか何と言うか、ルチアーノ・パバロッティが取り上げられています。先々週亡くなった方で、世界が注目する人といえばやはり彼でしょう。4歳のときから歌で神童ぶりを発揮した彼は、天性の歌唱力とずぼらにも見える生活態度、音楽に垣根を設けない考え方(アメリカのバラエティ番組にも出たり、ポップスシンガーと共演したり)など、なんだか「のだめカンタービレ」の世界を地で行く人だったようですが。一度ウィーンの空港で、小澤征爾氏が彼を出迎えに来ていたところを目撃したことがあります。ヒゲとお腹が印象的な人でした。