新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

規制強化の話

9月22日号を読み進めていって、日本のメディアに出ない話だなあと思った話の一つは、イラクに於ける傭兵の活躍です。日本では「民間セキュリティ会社」などという呼び方で報じられることの多かったアメリカのブラックウォーターという会社が、実は武装した兵力を持つ存在で、それが関与したと窺われる殺傷事件が起こり、それが一因となってアメリカと現イラク政府が窮地に陥っているという報道は、あまり日本では目にしない類のものではないかと思います。

次に、禁止されたもの以外は原則OKで、判断を市場にゆだねるアメリカ型貿易管理と、許可されたもの以外は原則禁止で、判断に政府が関与する欧州型貿易管理のうち、もともとグローバルスタンダードとされてきたアメリカ型の考え方よりも、欧州型の考え方を採用する途上国が増えている、という話ですかね。この手の分析的な視点に基づいた記事は、日本の場合どうしても新聞より雑誌、それも経済方面に力を入れている雑誌で、時差をもってしか読めない話になりがちです。もちろんThe Economistも立派にその部類に入ると私は思うのですが、彼らの自己認識はご存知のとおりNewspaperです。

あとは英国の銀行取付騒ぎの話。イギリスで五番目の住宅債券引き受け会社であるノーザン・ロック銀行が短期資金調達に失敗した、とのニュースが即、同行の取り付け騒ぎ(じつにビクトリア朝以来の事)に発達した影には、当然アメリカのサブプライムローンに端を発する経済への不安が働いたのでしょうけれど。

あと、もしも明日他に面白い記事がなかったら、今週から短期集中連載になったらしい非常時と自由の束縛についての記事を取り上げてみたいと思います。こいつはかなり示唆的なので。