航空産業の今
10月13日号のBusinessのあとのBriefingでは、シンガポール航空に納入されたエアバスインダストリーズ社の二階建て超大型ジェット機A380を巡って、航空機メーカーと航空会社の勢力図の変化などについて詳報しています。曰く、超大型市場はA380の一人勝ちだが、超大型機を保有する航空会社で同型機を発注していない会社は残り少なく、実はニッチ市場だったのではないかとの意見もあること。さらに負け組のはずのボーイング社はB787ドリームライナーで双発長距離機の市場を席巻すべく用意を整えていること。どっこいエアバス社もA350という対抗機種を用意し、さらに中型機そのものが元来得意分野であることなどなど。
中大型機(というカテゴリはないのかもしれないが、敢えて言えばそうなる)のほうがコスト的にも安く、全体の需要が多いという考え方はそうかもしれません。超大型機がもたらすコストメリットは、繁忙期には確かに大きいかもしれませんが、季節変動のあるような路線では一寸難しい要素もあるでしょう。
それにしても成田空港が世界で4番目に忙しく、羽田が11番目という統計があるとは知りませんでした。もっともこれは、2025年までを見通した予測値の話らしいのですが、それによると、一位は香港、二位はロンドン・ヒースロー、三位がドバイとなってます。意外に思えるのはシカゴ・オヘア空港がランクインしていないこと。9.11の余波、というわけでもないのでしょうけれど。更に今から18年も先の話だというのに、ブラジルやインド、ロシアが入っていないのも一寸眉唾のような気が、しないでもありません。ま、どちらにせよ便利になってくれる分には悪い話ではないのですが、熾烈な競争を続ける航空会社や航空機メーカーの今は、外から想像する以上に難しいものであるようです。