新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

トヨタについての分析とは

11月10日号、経済分野で目を引くのは何と言っても「Toyota」というタイトルのBriefingではないでしょうか。個別の民間企業がこれだけの紙面を使って紹介されることはあまり多くありません。

記事を読むと、業界トップの座が見えてきたトヨタについての畏敬の念とあわせて、リコールや不良が相次いでいる昨今の状況を、長期的には脅威となることを冷静に分析しています。レクサスハイブリッドの低効率、米国市場向け新型ピックアップトラックのツンドラの不調(安全性評価で低い点)に加えて環境対策でもビッグスリーの意見に追随し、厳しい規制を支持しなかったことなどについて、ソフトにではありますが批判的な書き方をしています。そうは言ってもやはりプリウスで開いたハイブリッド車による環境対策や、アメリカ・イギリスなどに技術を輸出したトヨタ生産方式の強さなど、業界トップになる企業に対する敬意はきちんと払った書き方になっています。

日本の製造業、ここに極まれりと見るのか、ロボットやナノテクなどの分野で更に日本のテクノロジーが世界をリードしてゆくのか、見方は分かれるかもしれませんが、いずれにせよ一寸エポックメーキングな話だな、と思いました。

その他、Econmic focusではアメリカの中高年失業対策、Obituaryはタイ・ミャンマー国境に跨る「黄金の三角地帯」を仕切った麻薬王、クンサーの死を伝えています。