新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

そんなところで成功してるんだ!

11月24日号の特集記事はオーストリアです。あのワルツとお菓子とモーツァルトの、ウィーンとザルツブルグとそしてそして、わらじサイズの牛カツ・ウィンナーシュニッツェルの、映画「第三の男」で有名なプラター遊園地とウィーンの森の、と枕詞はいくらでもありますが、とにかくあのオーストリアです。普通に日本で生きていると「何でオーストリア?」と思ってしまうかもしれません。でもよくよく考えてみるとThe Economistはイギリスの週刊誌で、いかにアメリカを意識していたとしてもイギリスはやっぱりヨーロッパにあって、だからヨーロッパで無視できない政治や経済の動きについて書かれるのは当たり前、という話だと思います。では何が注目されたのか?

答えは拡大に向かうEUと東欧諸国の経済発展について、最も恩恵を受けた国がオーストリア、というものです。考えてみればなあんだ、かもしれませんが、では日本はどれだけ東欧、しかも中東欧から南東欧を視野に入れて動いているか、という視点で考えてみると、東欧の経済発展が日本経済にもたらす影響が議論される、なんてことは極めて珍しい話ではないかと思います。でも、たとえば東欧の向こうにロシアや中央アジアが透けて見えるとしたら。。。?

ドイツ語を話すのにドイツ人より楽天的で、ドイツはおろか欧州のどの国に比べても豊かな文化遺産と歴史を持っているオーストリアは、経済面から見ても付き合うのに面白い国だと思います。東側に近かったせいか、全体主義的なものの考え方にも寛容なところがありますし。ロシアや中央アジアにアクセスすることを、東側からばかりだけでなく、西側から考えてみるというような思考の柔軟性があってもよいのでは、と思いつつ読んだらとても興味深い記事でした。ウィーンへ仕事でよく行くから、という自分の都合だけではなかったと思います。