新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

そんなに悪いの?

1月26日号の巻頭記事に続くBriefingでは、「オズの魔法使い」のテーマソングを使った"Somewhere over the rainbow"というタイトルで世界経済の先行きについて分析しています。

表面的な不安材料のあれこれはさておき、構造的には途上国における教育の成果により成長の持続と不平等性の解消が進み、ほどなくまた明るい日差しが期待できる(silver lining)というものですが、The Economistに応援されると逆に「そんなに悪いの?」と、ついつい勘ぐってしまいたくなります。

また、アフリカは一人だけ置いて行かれているようですが、焦点が絞れたことは逆に課題を整理しやすくなったとも言えるので、不要な悲観論は排除しつつ勇気を持って未来へと歩んでゆきたいものだと思います。

Asiaは中国の環境問題、タイの麻薬問題、マレーシアのマイノリティたるインド系住民の現状、オーストラリアと日本の捕鯨を巡る対立、ネパールの風俗産業、アフガニスタンの混迷と強力な国連調整官の着任についてなど。United Statesは大統領選挙を巡るあれこれ、が中心です。共和党ではフレッド・トンプソン候補が戦線を離脱、マケイン候補が何となく注目を集め始めている、という様子が良く判ります。人種間の対立がいつの間にか目立ち始めた民主党は、クリントン・オバマのどちらが勝ってもしこりを残し、共和党に勝てないのではとの観測すら出ている模様です。

伝統的に日本はアメリカ大統領選挙に関する判断をしないのがメディアの礼儀になっているようなところがありますが、近未来のアジアを中国中心で考える民主党候補の面々よりも、マケイン氏に代表される共和党保守派に勝ってもらったほうがやりやすいのではないかと思います。まあ、どちらかに肩入れして反対勢力が勝ってしまうとそのほうがやりにくくなる、ということなのかもしれませんが。