新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

減量の経済学

2月9日号の後半ですが、とても面白かったのはFinance and economicsの囲み記事で、マサチューセッツ工科大学の教授が同僚と、減量できなかったらお互い一万ドル払う、その後約束の体重を一寸でも超えたら5千ドル払う、という約束をして、不可能とも思える減量とその維持に成功した、と言う話。それだけなら世間どこにでもある話なのですが、MITの教授が教授たるゆえんは、その事例から経済学の法則、すなわち短期的欲求(食べたい、タバコを吸いたいなど)は長期的欲求(減量したい、ガンになりたくない)等を価値的に凌駕しており、通常はそのままでは短期的欲求が勝ってしまう、であるから賭けをするなどして通貨による価値のバランスをとることが長期的欲求を勝たせる秘訣である、というもの。なんとこの企画は民間企業としてスピンオフしてしまい、結構な人気を集めている、というから納得と言うか驚きと言うか。

さて、禁煙の約束を破ったら百万円、というような約束をして長期的な禁煙をさせる、というようなビジネスモデルは日本では通じますかね?経済学的に裏付けられた話なので、やってみる価値はあるかも?