日本に似てきた・・・かな?
8月29日号のEconomic focusでは、先日アメリカのジャクソンホール市で開催された中央銀行総裁会議の様子がおおまかに報告されています。先進各国の中央銀行総裁の間で交わされた経済運営の方針に関する議論の中核は、まだ足元の確かでない経済の回復基調のなかで、各国間で合意され、ここしばらく一つのメルクマールとなってきた中央銀行の役割であるインフレ抑制と経済安定のうち、経済安定をどのように考えるかと言う点にあったようです。
低成長下で金融の量的緩和が進んでいる現在の米欧は、バブル崩壊後の経済運営に苦しんだ日本に似てるような気がするのですが、日銀の白川総裁が会議をリードする、というシーンは少なくともThe Economistが伝える限りでは全くなかった模様です。
経済が疲弊しているおかげでインフレの懸念は当面心配しなくても良い状態ではあるようですが、量的緩和が不況脱出に全く機能しないことは日本経済で実証済みだと思われるのですが、一部の学者にはインフレターゲットとの組み合わせで実施すればそれなりの機能は果たすはず、という意見も見られるようです。
巷間言われる話ですが、ターゲットを掲げたからと言ってインフレを、たとえば物価面でモニターしながら抑制できるものなのでしょうか。一部の中央銀行関係者には興味を示す人も居たとのこと。
たしかに物価安定は物価指数を追いかけていれば良いのですが、経済なかんずく財政安定は数値で計るわけにも行かず、実は結構難しいシロモノらしいということです。インフレを抑制しつつデフレを避け、かつ財政面を安定させなければならないという中央銀行の仕事というのは、逆に言えば裁量幅の大きな仕事とも言えるようですが、どれもこれも両刃の刃という感じです。連邦準備制度理事会のバーナンキ議長が元々学者さんということですが、白川さんもそんな風貌ですね。あれ、なったのはバーナンキが先?
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