新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

いくらなんでも

12月31日号のLeadersには、大統領選挙へ向けた候補者選びがぱっとしない米共和党の現状についての分析に続き、北朝鮮政権の代替わりに関する論評が出ています。北朝鮮についての記事はこの他にも前半のBriefingとObituary(金正日ですが)にもあって、一大ニュースと言う感じなのですが、読者コメントは圧倒的に米大統領選挙に関するもののほうが多いですね。

さて、その大統領選挙についてはオバマ大統領の支持率が伸びず、またとないチャンスであるにもかかわらず、現在立候補を宣言しているどの候補もオバマ大統領に勝てるチャンスはありそうにない、という低調な展開になっています。The Economistの読み解くところでは、共和党そのものがかなり右傾化しており、中道層の票が取りこみにくくなっているためではないか、ということなのですが、確かにモンロー主義を彷彿とさせる気候変動問題への対応や妊娠中絶、それに非合法移民の問題に関する意見は言ってみれば「極論」が幅を利かせるようになっており、いくらなんでもと思うものが少なくないようです。またThe Ecomoistは敢えて無視したのかもしれませんが、キリスト教原理主義との関係もやや気になる要素があり、イスラムとの関係が懸念されるところです。

北朝鮮については日本メディアのほうが報道内容としては詳しそうなのですが、中国もアメリカも、さしあたり現状維持が得策だと思っているのでは、という文脈の中で、「日本も統一された韓国を脅威に思うので」現状維持を望んでいるという分析がありまして、そりゃいくらなんでも不勉強だろう、と思いましたのでちょっとコメントを入れておきました。