新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

もうひとつの「変化」

2月11日号のAsiaには、アラブの春に擬するような書きぶりでミャンマーの軍事政権に見られる急激な変化についての記事が出ています。アウン・サン・スー・チー女史の自宅軟禁からの解放、政治犯の釈放、民主化へとつながる選挙の準備など。。。
アラブの春が影響したのか?という記事の問いかけは、多分違うと思うのですが、読者コメントにも懐疑的な考えを示すものが散見されました。もっともらしい読み解きとしての「中国依存の限界」説は、外れてはいないのかもしれませんが、同地域における中国系住民の影響度を考えると、一筋縄で括れるものではないような気がします。読者コメントで納得的な指摘だと思ったのは「中国は、中国の発展に資することをする」という説ですが、見方によってはミャンマーを孤立させておくよりも、解放して外資による経済開発を行わせたほうが、雲南省を始めとする中国国内の発展にも好影響が期待できると踏んだのかもしれません。
記事の指摘でそうだろうなと思われたのは、体制変革が成し遂げられた後に軍事政権を訴追しないというような、正義より平和を重んじたであろう妥協の存在についての推測です。南アフリカもそのようにしてアパルトヘイトを脱したわけですが、清濁併せのむ器量が未来を拓くことに繋がったという事例かと思います。
というわけで、最近は日本企業の関心もぐっと高まりつつあるミャンマーです。

さて、政治的な免責を約束してあげることで体制変革が促進される、というような問い掛けは、他の国では通用しうるのでしょうか?北朝鮮など、代替わりをしたというのに相変わらず遺訓だの先軍だのというフレーズばかりが聞こえてきます。変化には時間がかかる、ということですかね。