新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

社会の変容とグローバルスタンダード

2月11日号のSchumpeterは、アメリカで進む同性愛者の社会進出と、それを公に受け入れる企業の変容について論じています。当事者はもちろんのこと、同僚やユーザーから見ても、たとえば「同性愛者にまで気を使う企業は、当然男女差別などをしない会社」という見方があるようで、それが好ましい評価へとつながっているようです。そこまでは単なる変化として聞いていられる話だと思うのですが、品質マネジメント(ISO9000)や環境問題(ISO14000)への対応、企業の社会的責任(ISO26000)など、好ましい評価が逆に「守るべき基準」であるかのように姿を変えて、達成していないと世界市場でハンディを負うかのごとき脅威となって跳ね返ってくる、というような昨今の流れを勘案するに、そのうちいずれ性差別をしないことや同性愛者を受け入れることに関する度合いが数値化され、国際標準として要求されるようになったりして、と思ってしまいました。

ISO26000シリーズには人権に関する規定があるそうで、そのうちこれが拡大されて、被雇用者に対する配慮とかで言われるようになるんじゃないのかな、というのは若干被害妄想ですかね。ま、悪い話ではないのかもしれませんが、その反面で世の中がだんだん息苦しくなってくるような気がします。