新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

大阪維新の会はティーパーティか?

3月24日号のAsiaには、消費税引き上げ法案を巡って混迷する日本の政局についての記事が出ていますが、先行きの見えない民主・自民のかけひきに加えて、台風の目として注目される存在として大阪維新の会が紹介されています。その性格について「Tea partyにも似た『大きな政府』に対する反対派と、左翼を畏怖させる国粋主義的な労働組合が合体したような」という説明が付いており、これだけでもなんだかよく分からない説明なのですが、Tea partyとはご案内の通りアメリカ共和党を根底から振りまわす力を発揮している超保守派による草の根運動です。それに対して大阪維新の会は、今のところ草の根運動と言うよりは橋下徹大阪市長のリーダーシップによって支持を拡大してきた地方政党、という存在なので、比べるのは一寸どうかなと思うのですが、既成の政治が行き詰まる中、アンチテーゼ的な登場の仕方が似ていると言えば言えなくもない、というところでしょうかね。よくわからないのは、もともと日本で言うリベラルな勢力を基盤とする民主党と、The Economistの分析によれば保守的な性格を持つ大阪維新の会が、今後どのような関係になってゆくのか、ということです。アメリカの場合はある意味で明快で、Tea partyとオバマ政権の間に存在するのはごく単純な対立軸でしかない訳ですが、日本の場合はあれこれ注釈がついて、そのあたりが玄人でないと非常に判りにくい構造になっているような気がします。今のところ、大阪維新の会はあくまで地方政党なので、まだ許されているのだろうと思いますが、国政への進出を明快に打ち出した以上、現政権との立ち位置についてはしっかりとした説明が(出来れば単純明快に)求められる時期が来ているのではないかと思います。