新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

温州での実験

またまた一寸間が空いてしまいました。今日から少しずつ元に戻してゆきたいと思います。
さて、3月31日号のFinance and economicsには、中国は浙江省・温州市が「財務特区」として認定されるとの発表を行ったとの記事が出ています。それによると、ブラックマーケットで営業していた非公認の金融機関は届け出さえすればそのまま行政への登録が可能になること、そして温州市民は一人当たり3百万ドルまで、許可なしで海外へ投資できるようになるというお話です。

中国のブラックマーケットにおける金融機関が、全国でいったいどのくらいの金融サービスを提供しているのか、皆目見当もつきませんが、The Economistが伝えるとおり、万一焦げ付きでもした場合の法的な救済策がない以上、ガチンコリスクを覚悟で商売するのが彼の地の流儀、ということだったわけですね。さしあたり温州市で始まる「実験」は、そのリスクに対して行政の網がかかることを意味するのか、非常に興味のあるところではあります。

温州といえば、日本人にとってはミカンのイメージだと思うのですが、ネットの情報によると意外にもミカンとはあまり関係ないらしいです。むしろ温州人≒カネに執着する、というようなイメージがあるようで、だとすると財務特区の指定も中国人にとってはなるほど感のある話なのかもしれませんね。