新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

科学を見る目について

12月17日号のScience and technologyでは、最近日本でも報道されたヒッグス粒子の発見についての記事があります。さすがThe Economistと思わせるその内容は、クウォークやレプトン、電子やフォトンなどと対応させた「スタンダードモデル」におけるヒッグス粒子の位置づけを簡潔に説明したうえで、ヒッグス粒子の発見が言ってみれば「スタンダードモデル」の解明を終わらせる業績になること、さらに物理学者の次の関心が向かうのは、「ダークマター」を含む「超シンメトリー理論」であることなど、マクロ的な物理学の流れを踏まえた解説をしてくれている点です。

クオリティペーパーと呼ばれるメディアには、出来ればこのくらいの深みを持った解説を期待したいところですが、日本ではなかなか。頑張っている日経新聞あたりでも、ここまでは書けないのでは?と思います。Industriesは時折弱点を見せるThe Economistですが、Scienceは強いですね。そのあたりに国民性の違いが出るのかな?