新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

2012-01-01から1年間の記事一覧

溶けてしまえば

6月16日号の特集記事は北極の氷が溶けること、についてです。 震災以降ぐっと少なくなったかもしれませんが、地球温暖化、もしくは気候変動については日本でもそこそこ話題になっている(いた)わけですが、特に今週ブラジルで「リオ+20」と呼ばれる環境サ…

靴を隔てて

6月16日号のLeadersそしてEuropeには、スペインにも飛び火したヨーロッパ財政危機問題と、それに対応するユーロ圏の現状を伝える興味深い記事が出ています。長い記事を圧縮するとその大筋は、ギリシャやアイルランド、ポルトガルに比べればまだスペインには…

止まらない地球温暖化

6月16日号がネットで流れています。最近は、日曜日に配達される印刷版をほとんど読まなくなりました。そのうち、The Economistだけでなく他の出版物も紙では配達されなくなるのだろうと思います。さて、Leadersですが、トップは地球温暖化に伴って北極海の氷…

ご神託

6月9日号のButtonwoodsは、ファイナンシャルアドバイザーなるものの、当たらないにもかかわらず根強い需要に関する分析です。曰く、御神託並みに後からの後悔を防ぐためのよるべとなっているところもある(?)とのお話。なんだか一寸やるせない話ではありま…

才能ある外国人の確保

6月9日号のBusinessには、起業家にとってビザの確保がどの程度易しいか・難しいかについての一寸面白い記事があります。外国人で、しかも有望なマーケットで起業しようとした場合、会社を作るのはえらく簡単なアメリカですが、残念ながらビザが大変厳しいと…

あら、そう、良かったね

6月9日号のBanyanは、日本を襲う産業空洞化の先行きについて、The Economistならではの分析的な論評をしてくれています。 果てしなく続く円高、エネルギー問題、進まない自由貿易交渉、人口減少と高齢化、その他様々な理由で産業競争力が低下している日本で…

欧州発、世界経済減速へ

ネットでは6月9日号が流れています。Leadersのトップは、懸念される欧州発世界不況の現実味が増してきたこと、そして欧州がどう対応するのか、その帰趨は一にかかってドイツのメルケル首相が緊縮策一辺倒の政策を転換するかどうかにある、という解説記事でし…

フラッキング、大丈夫?

6月2日号のAsiaで取り上げられているオーストラリアの天然ガス採掘に関する記事はちょっと目を引きます。地下の炭層に溜まっているガスを回収するため、水を噴射するフラッキングという技術を使っているそうなのですが、アメリカやカナダのシェールガス採掘…

オバマ大統領は経済音痴か?

6月2日号のLexingtonは、アメリカ大統領選の争点の一つとなっている「階級闘争」議論に焦点が当たっています。すなわち、経済成長よりも雇用の増大を目指そうとするオバマ大統領が、共和党のロムニー候補が投資ファンドを率いていたことを批判材料とする(カ…

アメリカの、景気回復と政治

6月2日号、United Statesのトップ記事はアメリカ経済の回復と大統領選挙の展望を各州ごとに数字を比べながら解説しています。結論はと言えば、オバマ大統領の経済政策で景気回復に多少なりとも寄与したと言えるのはミシガン州の自動車産業救済策くらいで(だ…

ロボットは悩むのか

6月2日号のLeadersです。最初の記事は、さまざまな場面で実用化が進むロボット、もしくは自動運転装置などを備えた交通機関などに搭載された自律的な判断機構について。二律背反的な「ルール」をどのように処理して、どのように判断するのか。人間が自身の役…

中国経済を総括すると

5月26日号の特集記事は、中国経済がどのくらい強いのか、という多面的な分析を載せています。 結論から言えば、輸出による稼ぎは多く、貯蓄も多く、投資は堅調といえるものの、投資の収益性には疑問符が付くものも多く、個人消費は思った以上に伸びているが…

何かを再構築すると言うこと

5月26日号のLeadersです。まずは中国経済の不安や懸念について、その資金力との見合いで考えると、確かに非効率かもしれないが不安定要因は大きくないという分析記事です。今週号の特集記事が中国経済についてのものなので、その大枠を示したものと思います…

そう来ますか

ネットでは5月19日号が流れています。 Leadersは、まだ一本目の記事しか見てないのですが、今週号の表紙にもなった「原始人に追われる上場企業という名のマンモス」を想起させる記事です。その内容は、Facebookの新規株式公開がこれまでの所謂IPO企業のそれ…

CO2回収・貯蓄

5月12日号のScience and technologyには、ノルウェーが取り組む二酸化炭素の回収・貯蓄(CCS)技術についての記事があります。北海油田などで実績のある同国では、アンモニアと化合させた炭素を地下に備蓄するという方法を気候変動対策の一つに考えているよう…

気持ちの問題?

5月12日号のFree Exchangeには、ちょっとした支援が予想以上の効果を上げることがある、という貧困対策に関する研究についての話が出ています。なんでもMITの女性研究者によるものだそうですが、バングラデシュで貧困対策として、おカネでなくたとえばミ…

インドに投資するなら

5月12日号のFinance and economicsには、西インド洋の楽園・モーリシャスとインドを巡る、意外な事実についての記事が出ています。知らなかったのですが、この二国間には投資家に有利な租税条約が存在していて、インドに対する外国投資全体の国別統計で断ト…

とりあえず好調、かな?

5月12日号のBusinessには、資源ブームと原発事故後の天然ガス需要の高まりにより好調な日本の総合商社についての記事があります。これがどのくらい国際的な話題かというと、世界のマーケットから見ればアメリカからの天然ガス輸入がどうなるか(自由貿易協定…

もう、それともまだ?

5月12日号のLexingtonは、大統領選挙を控えたアメリカの国民が自国の現状をどのように意識しているかについての調査結果に基づいて、アメリカの現状をどう評価するか、興味深い分析をしてくれています。まず、今のアメリカに満足していると言う人は、最近の…

現職優位

5月5日号のLexingtonは、アメリカ大統領選挙の帰趨について、現職オバマ大統領の持つ圧倒的な優位性がどのようなものなのか、を報じています。まずは大統領専用機を含めた交通機関を、ほぼ無制限で使えること。実際は公務に限定されているとは言うものの、ど…

そんなに重要な話?

5月5日号のLeadersを見ています。最初は、中国でアメリカ大使館に駆け込んだ盲目の人権活動家・陳光誠氏についての話。そもそもそんなに重要な話か?というのが読者コメントで支持を集めている発言ですが、何だか言ってることが一定しなかったり、どうして北…

LCCは新幹線に勝てるか?

4月28日号のBusinessには、日本に関係した2つの記事が出ています。ひとつは沖縄の長寿と関係あると言われる大豆をベースにしたスナック菓子(ソイカラ)の話、もうひとつは新たに就航する格安航空会社(LCC)と新幹線との競争について。大豆のお菓子は、沖縄の…

デジタルの、意外な弱点

4月28日号のInernationalには、デジタルデータによる史料保存が一般化することで生じる意外な弱点についての興味深い記事が出ています。すなわち、デジタルデータは再生のための機材やソフトがないと何の役にも立たず、それら技術が陳腐化し、捨て去られるこ…

なるほどそういうこともあるけど

4月28日号のAsiaには、珍しく(?)モンゴルの国内政治に関する記事が出ています。6月下旬に予定される総選挙を前に、前大統領が汚職の疑いで逮捕され、裸足で自宅から連行される様子がテレビでライブ中継された、のだそうで。かの国は、民主化されたことに…

ひとつがダメになると

4月28日号のUnited Statesは、トップ記事で南部諸州の非合法移民問題と、共和党の打ち出した厳しい方向性についての疑問をなげかけ、Lexingtonでは大きく右旋回することで二大政党の一翼を担えるか疑問視されるまでになった共和党の変質についての疑問を呈し…

トップの交代

4月28日号のLeadersを見ています。冒頭の記事はフランス大統領選挙の帰趨と欧州の今後について。The Economistは、サルコジ現大統領を推しているという訳でもないようなのですが、オランド候補に対しては反動的で、改革を逆戻りさせるという手厳しい評価です…

為替と経常収支

4月21日号のFinance and economicsには、数年前まで何かと言うとやり玉に挙げられていた人民元の為替レートについて、技術的に妥当と言える水準に近づいてきたという論評が載っています。完全な変動相場を取っているわけでもないのになぜ?と思って記事を読…

寒い花見

今年の4月は例年になく寒いと感じていましたが、どうやら世界経済も似たような状況らしいです。 4月21日号のFinance and economics、最初の記事はWeather reportと題して現在の世界経済を天気に例えた解説をしています。アメリカ、復興需要に支えられた日本…

明日の製造業

4月21日号の特集記事後半です。 まずは、The Economist御執心の3D印刷について。そもそもは、コンピュータで設計した部品などのプロトタイプを製作するためのマシンで、私は削り出しか何かだろうとおもっていたのですが、薄い素材の積み重ねで形を作ったり、…

上っ面だけでなく

4月21日号の特集記事は、製造業の今後についてということで、興味深く読ませてもらっています。Leadersでは、3D印刷の技術がもたらすテーラーメイドの生産についての記述がありまして、目の付けどころがいかにもThe Economistだなあと思っていたのですが(現…