新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

収まらず

2月2日号の地域記事を眺めると、いつものことと言えばそうですが、きな臭い話が世界のあちこちから聞こえてきます。まずはケニア。私にとっては前任地だったということもあり、民族対立と打ち続く内乱は一寸想像できないところもあるのですが、外国人の目からはうかがい知れない部族間対立の火種があったということなのでしょう。パレスチナガザ地区とエジプトとの国境破壊に代表されるように、ここでも無政府状態に拍車を掛ける混乱が続いているとのこと。人口密集、若年層の慢性的失業と、経済を巡るケニアとの共通点を指摘する記事もあります。欧州に目を向けるとやはりイタリアの国政選挙が関心の焦点となっています。ベルルスコーニ氏の返り咲きか?あとはドイツの地方選挙で露呈した連立政権内の微妙な温度差。ロシア新大統領への期待、戦時中のユダヤ人の扱いを巡るポーランド史の影、トルコ人とクルド人の関係を規定するイスラム教、Charlemagneはヨーロッパのおもちゃが中国製にならないのはなぜか、と言う話。Britainではアフガンに追加派兵できない英国の悩みなど。

Internationalでは、アメリカの捕虜になるより怖い国連のテロ支援者リストについてという記事が興味を引きました。ある意味勤め先に関係する話でもあるためかと思いますが、恥ずかしながらこの記事を読むまで、国連加盟国なら誰でも特定個人や団体をリストに加える提案ができて、一旦リストに上げられたら国外での自由を奪われた上、たとえそれが不当であっても異議申し立てはすべて被疑者が行わなければならない、のだそうで、国連人権委員会からは(テロ支援を理由にするなら)「きちんと裁判したら?」と言われているとのこと。その他、マラリア予防剤の入った蚊帳が汚染地域で見せた目覚しい成果、博物館行きかとおもったらどっこいまだ生きているテレックス(日本はクウェート、イタリアとならんで現役ユーザーらしいですが?)、Briefingは規模の経済を目指すユニリーバについて、となっています。