新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

2010-01-01から1年間の記事一覧

25年目の技術革新

8月7日号のScience and technologyには、音波探傷装置の進化によって、航空機のアルミ部材に発生するマイクロレベルの断裂や金属疲労などを探知する技術についての記事が出ています。Asisと呼ばれるこの技術がもしも存在していれば、御巣鷹の日航機事故はな…

銀行の松竹梅

8月7日号のFinance and economicsですが、好調な成績をおさめるブラジルの銀行とその理由について、成長著しい大企業への優先的融資、というあたりは昭和の日本がダブって見えたのですが、アメリカの銀行がV字回復を見せ付ける中、リーマンショックの落ち込…

お決まりの

ネットの使いにくい環境に居たりして、少し久しぶりの書き込みになります。さて、世間も夏休み、The Economistも一寸薄っぺらな紙面になっているようですね。ネットで流れている8月7日号を眺めると、特集記事もないし、ニュースもどちらかと言うとホットな情…

アメリカの地球温暖化対策について

7月31日号のUnited Statesのページには、いささかややこしい状態になっているアメリカの気候変動対策(地球温暖化対策)についての記事が載っています。それによると、議会上院はキャップアンドトレードという排出権の設定と売買に関する法律を通過させない…

核融合プロジェクト融合せず

7月24日号のScience and technologyには、予算不足が懸念される国際核熱実験炉プロジェクトと、欧州の視点から見たその問題点についての記事が載っています。EUプラス日本を含む6カ国で構成されるプロジェクトは集中予算管理方式をとらず、各国がその持分予…

2010年版ビッグマックインデックス

7月24日号がネットで流れています。Leadersは、アメリカにおける刑法犯の収監状況と、その荒っぽい処遇についてなど。でも私としてはやっぱり毎年おなじみ、Big Mac IndexがFinanceのページに載っていたので興味深く見ておりました。すでにご存じの方も多い…

熱で冷やす?

7月17日号のScience and technologyでは、省エネ技術として面白そうな話が出ています。 省エネのソリューションについてなのですが、たとえば安い深夜電力で氷を作り、昼はその氷で空気を冷やす、というような方法です。でも記事が取り上げたのは、これより…

国債と銀行の話

7月17日号のFinance and economicsには、銀行による日本国債の引き受けについての記事が出ています。ある意味で日本経済にとっては「そこにあることが当たり前の危機」みたいな感じになってしまい、国内ではメディアも頻繁には取り上げなくなっているような…

ところがどっこい

7月17日号のBusinessには、「日本の隠された成長市場」と言うタイトルで、高齢者市場、医療介護、外食産業その他、日本で注目される成長産業についての記事が載っています。ま、日本経済を間近に見ている目からすれば当たり前の話ばかりなんですけどね。マク…

思い通りにならないと言うことは

7月17日号のAsiaでも、Leadersに続いて日本の参院選とその結果に関する論評が出ています。議席数では大きく負けた民主党ですが、特に都市部の得票率で見れば必ずしも大きく負けたわけではないこと、世論調査によると有権者は消費税議論を必ずしも回避・忌避…

虫けらたちの国会

いささか刺激的なタイトルですが、Diet of wormsとは、7月17日号のLeadersの一ページを飾った参院選後の日本の政局に関する記事のタイトルです。ねじれ国会も、民主党の惨敗も、詰まるところ大局的には良い方向へ向かう変化ではないか、The Economistはその…

元気を出して、ヨーロッパ。

ネットでは7月10日号が流れています。表紙はくにゃりと曲がったエッフェル塔です。Leadersのトップも、「何かヨーロッパを元気付けられるか?」というもの。たしかに今、ヨーロッパを巡る明るい話題と言えばサッカーくらいではないかと思われます。しかも、…

長寿のDNA

7月3日号のScience and technologyでは、100歳を越すようなお年寄りのDNAを分析し、長寿遺伝子を見つけようとした研究の話が載っています。それによると、「どうもそうらしい」マーカーとなる遺伝子はある程度絞り込めたものの、相互の関係や環境、後天的に…

金融改革(と成長)

7月3日号、後半のBriefingはアメリカ議会でようやく下院を通過した金融改革関連法、またの名をドッド・フランク法と、これに関する金融改革の概要について。当初オバマ大統領は、トロントで開催されたG20サミットに間に合うように調整を試みていたようなので…

政策アンケート

7月3日号のBritainには、囲み記事で保守党新政権による財政再建策へのアンケート結果が出ています。興味深いので、カンタンに取り上げると、まず9割近くが削減賛成というのが王室予算の削減(!)で、最も幼い子が学校に上がったらシングルペアレントを働か…

ダグアウトのドラッカー

7月3日号のBusinessには、今日本で話題の「もしドラ」(もし高校野球部の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら)についての囲み記事が、本の表紙の写真と一緒に出ていました。本がベストセラーになったこと、そしてその影響でドラッカ…

遅すぎた小出し?

7月3日号、United Statesのページですが、中国人民元の対ドル切り上げについての批判記事が載っています。曰く、遅すぎて小さすぎる。中国がアメリカの有権者から得た小さな忍耐は程なく尽きてしまうだろう、とのこと。中国にとって、依然としてアメリカは最…

サイバー武装の必要性

7月3日号のBriefingでは、サイバー戦争について考えられる現時点での脅威を詳報しています。日本は、安全保障というと米軍・沖縄・北朝鮮、せいぜい自衛隊についての議論くらいしか俎上に上りませんが、今日時点でどこに最も注力すべきかと考えると、それは…

タフだがフェア

ネットでは、7月3日号が流れています。早速Leadersから。まずはサイバー戦争への懸念と、各国で進んでいると伝えられる電子武装について。特にアメリカは生活や産業の隅々までコンピュータが行き届いている国なので、もしもそのインフラが攻撃されるとすると…

身につけるもの

6月26日号のScience and technologyには一寸面白い記事があって、それはアメリカのノースカロライナ大学チャペルヒル校で実験された話だそうですが、ブランド物のホンモノを身につけている人は、ニセモノを身につけている人よりウソをつく比率がぐっと低くな…

パーム油の持つ今ひとつの側面

6月26日号、後半のBriefingは、熱帯雨林をおびやかすパーム油「産業」の現状について報じています。事例はインドネシアなのですが、実際にはパーム油(ヤシ油)の生産は熱帯に位置する数多くの途上国で拡大していますので、もしかすると記事が報じている以上…

いずこも似たような

6月26日号のBritainでは、トップに新政権による財政再建策のあらましについての記事があります。それによると、オズボーン蔵相が明らかにした素案は付加価値税を現行の17.5%から20%へ増税し、法人税の削減(28%から25%、さらには24%まで)や歳出削減と…

ユニクロの成功

6月26日号のBusinessには、ユニクロを運営するファストリテイリング社の成功と、再加速されるその海外戦略についての記事が出ていました。曰く、Tシャツや靴下など、ベーシックといわれる分野で「安いのに、チープに見えない」品質と、色やサイズなどの圧倒…

石油がもたらすもの

6月26日号のMiddle East and Africaですが、ナイジェリアのナイジェルデルタを中心として、オイルメジャーの開発部隊に対する外国人誘拐などを行ってきた現地武装勢力に対する新政権の取り組みの方向性について。ジョナサン新大統領がこの地域の出身というこ…

一応書いてある

6月26日号のAsiaですが、一応日本の参院選について簡単な記事が載っています。曰く、財政再建を軸とする民主党のマニフェストは、欧州の経済危機などにより議論が受け入れられやすい状況になっている。しかしながら、本当に日本経済に期待されていることは規…

サッカーなんか

ネットでは、6月26日号が流れています。Leadersは、アフガニスタン駐留米軍のマクリスタル将軍の罷免と次第に窮地へ追い込まれつつある米軍について、借金慣れ経済の弊害について、核廃絶とインド・パキスタン対立について、人民元と外国為替について、英国…

福祉を切るか、社会資本投資を切るか

6月19日号のBriefingには、もう二つの興味深い記事が載っています。一つは英国の財政再建に関する試案で、何をどのように削減するのが良いかという議論です。二つ目は炭素税を支持する意見で、特定分野(再生可能エネルギーなど)への補助金や減税などよりも…

混迷のキルギス

6月19日号のBriefingは珍しく3つもの記事が載っていますが、トップは戒厳令が敷かれたキルギス共和国の現状について。ソ連崩壊後、安定した国家経営が続くカザフスタンやウズベキスタンなどの隣国と異なり、2度も政権転覆を経験したこの国の政治的・経済的「…

あちこちの不安

7月19日号のLeadersですが、いつもに増して不安材料の塊のような構成になっています。そのせいでもないと思うのですが、トップを飾ったイギリスの政府予算を巡る記事には皮肉とも取れる楽観主義的なタイトルがついています。曰く、This won't hurt (much)だ…

はやぶさ、二つ目のファルコン

随分とご無沙汰してしまいました。仕事が片付いたので、またもとのペースで書き込みたいと思います。というわけで、6月19日号なのですが、いつものようにLeadersからではなく、巻末に近いScience and technologyに、小惑星探査機「はやぶさ」の話が出ていた…