新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

進む宗教化

宗教化、と言うコトバが正しい日本語なのかどうか知りませんが、11月3日号はLeadersに続いて特集記事にも宗教対立に関する議論が出ています。それによると、世界の4大宗教に帰依する人々が、1900年には67%だったのが(こんな統計はどのように入手したのでしょうか?)、2005年には73%となり、2050年には80%に達するかもしれない、ということだそうです。The Economistが言いたいことは、それだけ宗教の影響力が強まり、(キリスト教とイスラム教の間に見られるような)宗教対立の可能性が高まる、というようなことだろうと読み取れるのですが、そもそも第二次大戦前から現在に至る中東パレスチナ問題や、9.11テロおよびイラク・イラン問題は宗教対立か?という、議論の大前提で齟齬があるように思えてなりません。確かに米英の目から見れば、なぜそんな(テロ)ことをするのか、の説明が「神の名において」となっていて、それが自分たちの神と違うとなれば、「じゃあこれは宗教対立」と現象的に捉えるのは至極当然なのでしょうが、なぜ「神の名において」テロをしたのか、それは神が指導したのか、と考えるとやはり違うと思うのです。

今回の特集記事を担当したのは編集長のJohn Micklethwaitだそうですが、以前一度会ったときに感じたのは若いのにとても洞察力に優れた人間だなあ、ということでした。その彼が、問題の本質や真因をどこまで掘り下げて議論するのか、じっくりと記事を読んでからコメントしたいと思います。