新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

2007-01-01から1年間の記事一覧

売ったり買ったり

9月1日号のBusinessのページには、新車開発で企業価値が高まったジャガー&ランドローバー(英)が、自動車大手の世界戦略ともあいまって、買収対象としての人気を高めている話につづいて、マーケットに出てから25年、もはや過去の産業のようにすら扱われる…

共生は何のために

9月1日号のMiddle East and Africaには、イスラエルとパレスチナの共生支援事業を巡る状況の変化についての記事があります。曰く、インティファーダを機として特にパレスチナ側の「共生よりも、まず生を」という意識が高まり、事業の実施も簡単ではなくなっ…

ランキングと死刑とスタウフェンバーグについて

遅れて配達された9月1日号を手にとって眺め始めたのですが、最初のほうで目に付いた記事をならべると表題のようになります。まずLeadersですが快進撃を続けるGoogleとその成長への疑問について。詳細な記事がBriefingにあるようです。そしてなぜアメリカのイ…

遅配!

9月1日号が配達されてきません。金曜日には世界中で発売される本が、日曜日にならないと届かないのはどうかとも思うのですが、実務的には月曜日から毎日の通勤電車で読んでいるので、日曜日に入手できればブログには間に合っていたのですが、とうとう昨日は…

金融市場の国際化

8月25日号のFinance and economicsのページでは、ロンドン証券取引所との合併に失敗したNASDAQとドバイのBorse Dubaiという証券取引所の双方から熱い視線を送られている北欧の証券取引複合体であるOMXを紹介しています。スカンジナビア諸国からバルト三国…

ミステリー作家とビジネス

8月25日号のFace valueは作家のジョセフ・フィンダーがハーバードビジネスレビューに寄稿したことが紹介されています。それも単なるコラムではなく、フィクションですが企業経営の核心に迫るケーススタディだったとか。ハーバードビジネスレビューは、日本語…

夏休み?

8月25日号を読み進めて感じるのは、洞察に満ちた切れ味のよい記事は多いのですが、思わず誰かに話したくなる記事、が少ないことです。それはなぜかと言うと、記事の新鮮さがちょっと落ちていて、似たような論評をすでにどこかで目にしているものが多いせいで…

司法のあり方

8月25日号のUnited Statesのページには、アルカイダに入ったアメリカ人、ホセ・パディラ容疑者(自称アブドラ・アル=ムハジール)がアメリカの司法当局によって裁かれつつあることが報告されています。最終的な判決は12月に言い渡され、終身刑になる見込み…

特別扱いへの批判

8月25日号はleadersでプーチン政権下復活をとげたKGB人脈と同政権の秘密警察体質について(これはBriefingとして詳報されています)、核を巡るインドとアメリカの特別な関係について(批判)、FRBによる利下げとモラルハザードについて、タイの新憲法制定に…

罠でない流動性とユダヤ人のカトリック神父

8月18日号も後半です。夏休みのため薄いので、かなりじっくり読んでもすぐに進んでしまいます。その中で、一寸気になったのが、イギリスで19世紀の取り付け騒ぎに対して浴びせるように金を貸し、「金融危機には金を出せ」、という古典的政策の体現者となった…

報道されない企業家の自殺

8月18日号のFace Valueは、報道に関するさまざまな疑問を暗示してくれる興味深い記事でした。いつもなら、各界で活躍する企業家の顔写真が載っている欄に歩いている男性のシルエットだけが載っていて、一寸異様な感じがします。早速記事を読んでみると「8月1…

報じられない海外のニュース

8月18日号はMiddle East and Africaで、ウガンダで発生したMarburgというウィルスによる鉱山労働者の死亡事例を報告しています。1967年にドイツとユーゴスラビアで発症例が報告されているこのウィルスは、有名なエボラ出血熱に似たウィルスで治療法がなく、…

貧困からの脱出

8月18日号はBriefingでLatin America's new lookと題して、経済的離陸を果たしつつある中南米諸国の経済状況について詳報しています。無論、国によって時間差・温度差があるため、必ずしも中南米の全ての国が恩恵を受けているというわけではないのですが、ブ…

人口のキャップアンドトレード

まだ多少休みボケの頭で8月18日号を読んでいます。やはり米国サブプライムローンの格付け問題に端を発した市場の不安定化についての記事がLeadersのトップですが、夏休みということもあってか特集もなく、貯めておいたと思しき中南米の経済構造に関する楽観…

底辺の10億人

8月4日号のBooks and artsに、一寸気になる本の話が出ていました。「底辺の10億人(The Bottom Billion)」というその本はオックスフォード大学経済学教授のポール・コリアーがアフリカのサブサハラ諸国を中心に暮らす「底辺」すなわち貧困層が、なぜ特定地域…

すばやい相撲取り

8月4日号のFace valueは製薬業界の雄、グラクソ・スミスクラインの経営者、ジャンピエール・ガニエ氏が登場しています。R&Dが社運を決する製薬業界にあって、同社は合併を繰り返して大きくなる戦略をとってきましたが、規模の経済は必ずしも成功につなが…

ブルキニって、知ってますか?

8月4日号のMiddle East and Africaで気になったのは、日本でも代表チームの敗戦後はろくに報道されないアジアカップサッカーでイラクが勝利したことについての記事です。決勝戦でゴールを決めたエースストライカーのユニス・マハムドはスンニ派でも、一躍国…

アメリカとその内患

8月4日号のUnited Statesは、アラスカの開発を巡る政治的汚職問題、不法移民の増加とともに目立つようになってきたヒスパニックと黒人の軋轢、ロサンゼルスの例に見る貧困と犯罪の断ち切りがたい連鎖、に加えて偽証の疑いや手続き違反などで無能扱いされてい…

タリバンによる韓国人ボランティアの拉致について

8月4日号のLeadersはアメリカの財政政策、スーダン・ダルフールを巡る国際社会の取り組み、日本の参院選、中国の軍拡、ナイジェリアの汚職と内政についての報告で、先週一時期メディアをにぎわしたタリバンによる韓国人ボランティア拉致事件に関する報告はあ…

風と水と空気

7月28日号のScience and technologyでは再生可能エネルギーの使い方、についてさまざまな知見が紹介されています。曰く、交流電流にくらべて直流電流のほうが長距離電送時の減衰度が小さい(へえ)、交流電流は地表近くでより多く減衰するためケーブルを高く…

すれ違いの弊害

7月28日号のInternationalのページには、北朝鮮での活動を巡って隙間風が吹きだしたUNDP国連開発計画と米政府の関係を憂慮する記事が出ています。外貨の供与を巡って、UNDPの供与した資金が北朝鮮政府によって軍事目的に使われていたのではないかと…

解放された5人の看護婦たち

7月28日号を読んでいて、ふと目に止まったのがリビアでエイズ予防策を施さず400人の子供をHIVに感染させたとして逮捕され、裁判で死刑判決を受けていたブルガリア人の看護婦たちが解放された、というニュースでした。連日タリバンに拘束された韓国人の人…

発展の仮面の裏には

7月28日号のAsiaを読んでいて思ったことは、アジア各国の発展の影をアングロサクソンは冷静に分析しているなあ、ということでした。中国の重慶へ流入する農村の若年労働者と、それを巡って発生する都市生活者と農村生活者の生活ギャップ。農村から移住しても…

世界が心配する日本の人口

7月28日号の表紙は泣きそうな顔の日本人の幼児です。Leadersのトップ、そしてBriefingのページでも、日本の人口減少について詳しく報告してくれています。日本のニュース解説等で、私たちにはお馴染みの問題ですが、改めて英語で数字などを読むと、状況の深…

健康保険について

7月21日号のEconomics focusは、マサチューセッツ州が全米に先駆けて導入した州民健康保険制度を参照しつつ、これまで長いことさまざまな議論が繰り返されてきた国民全体をカバーする健康保険制度に関する報告を載せています。老齢者を対象としたMedicareや…

英語ユニバーサル

7月21日号のEuropeのトップは、退潮の止まらないフランス社会党について。人事面でサルコジ政権から何人も重鎮を引き抜かれ、ホランド党首は辞任を示唆し、次の党首は先ごろの選挙で敗れたロワイヤル女史ではないか、との観測が書かれています。同じフランス…

断定

7月21日号特集のイランについてですが、さまざまな分析を加えた後、結局「たとえアメリカ文化に浸った若者であろうと、結局彼らはナショナリストであり、一朝事あれば指導者の下に結束する」と断定的に結論付けられています。何故そうなるのか、何が彼らをそ…

謎に挑む、その理由は?

7月21日号の特集はイランについて、ですがその前に中東・アフリカをざっと概観すると、パレスチナの内紛、オバサンジョ元大統領によるナイジェリアの院政、和平努力から置き去りにされたソマリア、反政府側の内紛により和平合意が脅威にさらされるコートジボ…

トルコの先行き

7月21日号の特集はイランについて、ですしLeadersのトップ記事もイランの謎、と題して民主主義を貫きながらも一貫して反西欧路線を取り、国際社会との対話も積極的に行っているとは言えないイランの現状分析です。それでも目を引いたのは、Briefingで語られ…

ダウンロードしてみました。

The Economistが聞けるようになった、という話は先日アップしましたが、MP3プレーヤーを待ちきれずにダウンロードしてみました。解凍して、デスクトップPCにイヤホンをつないで聞いてみたのですが、なかなか聞きやすかったですよ。読者の皆様、お勧めです。…