新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

2007-01-01から1年間の記事一覧

The Economistの読み方、について

10月27日号のLeadersは軍事侵略による破壊ではなく復興や社会建設も視野に入れた軍事力の再整備に関する議論、ヨーロッパ条約と名を変えた欧州憲法への各国の反応、選挙で与党が負けたポーランド、不透明感を増す国際金融市場、ラグビーW杯を制した南アと人…

アメリカの北と南を見れば

10月20日号ですが、Lexingtonのページでノーベル賞を受賞した元アメリカ副大統領アル・ゴア氏と大統領選挙を巡るさまざまな憶測についての興味深い記事があります。さまざまな意見があるなか、「結局彼は2008年の大統領選挙には出ないだろう、そもそも大統領…

安全保障への取り組み

10月20日号は持った感じが久しぶりに分厚いな、という気がして見てみると、世界経済に関する特集記事が組まれていました。サブプライム問題からこのかた、一部には問題が一段落したと見る向きもあるようですが、この問題が投げかける「リスク分散」への構造…

ライバル、逝く

10月13日号のObituaryは、アメリカの経済雑誌Forbesを大きくした功労者、ジム・ミッチェル氏の逝去を伝えています。「短く、読みやすく」を合言葉に投資家のための情報を前面に押し出した同誌は、氏の在任期間中に発行部数を六倍に伸ばしたのだとか。かつて…

人類の進化と人間の行動

10月13日のScience and technologyで見たコラムは面白かったです。おじさんの行くナイトクラブのサブカルチャーについての科学的分析、ということだそうで。小難しい話に見えるのはThe Economist一流のシャレだと思うのですが、かいつまんで言うと以下のよう…

航空産業の今

10月13日号のBusinessのあとのBriefingでは、シンガポール航空に納入されたエアバスインダストリーズ社の二階建て超大型ジェット機A380を巡って、航空機メーカーと航空会社の勢力図の変化などについて詳報しています。曰く、超大型市場はA380の一人勝ちだが…

イノベーションについて

10月13日号の特集記事は「イノベーションについて」ということで、産業全体にとってのイノベーションが持つ意味合いや、地政学的な最新の情報など、密度の濃い記事で大変興味深いです。が、やはり製造業の持つ本来的な役割やイノベーションとの関係など、洞…

カトリーナの爪あと

ハリケーン・カトリーナの名前は、政策レベルで地球温暖化対策のモニタリングに関する書き物などを読んでいると、「なぜアメリカで温暖化対策に対する議論が高まったか」という謎解きの部分でよく出くわします。もう一つ、アイヴァーンという名前のハリケー…

中国の田舎について

10月13日号のLeadersは、中国の田舎についての記事から始まっています。そのほかは、裸の王様となる懸念が漂う英ブラウン首相、方向性が見えたパキスタンの政局と憲法をないがしろにしたムシャラフ大統領への批判、金融業界最大の買収案件となったABNアムロ…

変わるインド

10月6日号はBusinessのあとのBriefingで、発展を通じて変容しつつあるインドの社会とビジネスについて詳報しています。これが今週は一番面白かったかな。最大の変化は不可触賎民とも呼ばれたdalitという最下層のカーストや、それよりはマシでもやはり差別さ…

さもありなん、という疑念

10月6日号のEuropeにはLeadersにも出ていたロシアのプーチン大統領の後継と噂されるヴィクトル・ズブコフ氏の首相就任を巡ってささやかれるプーチン大統領の延命プランについての観測記事が出ています。かつて部下だった無名で年上のズブコフ氏を抜擢し、「…

やっぱりクリントン?という観測

10月6日号のLeadersは、クリントン優勢が続く米民主党大統領候補争い、ミャンマーの混乱、ロシアのプーチン大統領とその後継選び、インドの下層カーストとビジネスの関係、アメリカのサブプライムローン問題と住宅専門金融会社の関係について、でした。Lette…

先祖の記憶

9月29日号のScience and technologyで面白かったのは、人は車や建物を見つける能力より、「動物」を見つける能力が勝っている、それはたとえ都会で暮らしていて野生動物を見たことのない人でも同じだ、という記事でした。まさに動物を狩り、動物を警戒して生…

報道されない・・・

9月29日号のBusinessには一寸目を引く記事が満載です。まず、中国製のおもちゃに含まれた磁石や鉛入り塗料の問題で、「マテルが中国側に謝った」という記事ですが。あれっ、と思ってよく読むと、子供が飲み込む惧れのある磁石はマテル側の設計ミス、塗料はマ…

It’s a small world?

9月29日号を読み進めています。世界のトピックを読み終えたところでざっと振り返ると、好調なカナダ経済、アメリカに引っ張られるメキシコ経済、自分が作った刑務所に入るかフジモリ元ペルー大統領、油田開発の話が進むギアナ、ヒズボラへの不信感を抱きなが…

ヒラリー優勢か

9月29日号は、Leadersでミャンマーの民主化要求デモ、強くなった中国経済、フランスと欧州中銀の通貨政策を巡る対立、英ブラウン政権の最近、スプートニクから50周年を迎える宇宙開発等。読み進める中で目に付いたのは、アメリカ大統領選挙に向けて着々と準…

オウムの知能?

9月22日号のビジネス関係は、やはり世界的金融不安のなかで起こったイギリスの銀行取付騒ぎに関する詳報や分析の記事が中心ですね。その一寸前にFace valueでビル・クリントン元大統領がフィランソロピー活動家として取り上げられています。普通この欄は、有…

市民社会と拷問

9月22日号ですが。非常時の自由の制限、というテーマに関する6週連続の短期集中連載が載ってます。タイトルは、テロと市民社会、拷問は正当化されるのか?というもので、9.11以来の「テロとの戦争」において、度々報道されている敵(アルカイダや、アフガニ…

規制強化の話

9月22日号を読み進めていって、日本のメディアに出ない話だなあと思った話の一つは、イラクに於ける傭兵の活躍です。日本では「民間セキュリティ会社」などという呼び方で報じられることの多かったアメリカのブラックウォーターという会社が、実は武装した兵…

国の動き

9月22日号について。祝日もあって、多少時間が取れたので、一気に半分くらいまで読んでしまいました。leadersのトップはやはり、サブプライム問題に端を発する経済危機が世界経済に与える影響について。二番目は流石に英国の雑誌だけあって、取り付け騒ぎを…

よく見た顔

連休の関係やら何やらで、不定期な書き込みになっています。本来なら9月22日号の記事にコメントすべきところですが、15日号をようやく読み終えたので、まずそちらを。Face valueのページに横顔が載っていたのは、GMとの提携に成功していれば後光がさしていた…

こんなところまでエネルギー

アフリカのサハラ砂漠の北西に、ニジェールという国があります。9月15日号のMiddle East and Africaでは、ニジェールと隣接するマリ、アルジェリア、リビアにかけて住んでいるトゥアレグ族の一部と政府軍との緊張が報告されています。ニジェールの北西部を押…

失望の機軸

9月15日号はLeadersでアメリカ軍のイラク駐留継続の理由について、パキスタンの政情、安倍首相退陣、アメリカの経済減速、OPECの発言力回復などについて報じています。直後のBriefingでは、警告を無視して亡命先から強行帰国したパキスタンのナワズ・シ…

安倍首相退陣

9月15日号はまたまた遅配となり、月曜午後に届けられたため、まだきちんと見る時間が有りません。それでも一寸眺めたところ、安倍首相の退陣を巡る記事が二つ、三つ見当たります。参院選後、農相辞任等があいつぎ最後はほとんど死に体だった安倍内閣ですが、…

韓国のケータイ

9月8日号で一寸目に留まったのがケータイへのテレビ放送を地上波に加えて衛星波でも実施していることから数多くの受信者がケータイでテレビを見ているという韓国の話です。日本はワンセグ(地上デジタル)だけですけど。Face valueは、インド最大の民間飛行…

虚像?巨象?

9月8日号のCharlemagneは、いつもなら欧州の中の○○、という視点の記事なのに、世界の中の欧州、という論点で書かれていていつもとは一寸トーンが変わってます。もしかするとEditorが夏休みで、ピンチヒッターが立ったのかもしれません(穿ち過ぎ?)。いずれ…

切れない電球

9月8日号のTehchnology quaterlyですが、光伝送や石炭ガスの二次回収、船になる車、五感活用型ゲームチェア、中性子線によるがん治療、自ら管理する健康や3Dグーグルアースなど、最新技術に関する情報が満載、といえば聞こえは良いのですが、ある意味で最近…

クルドの今

9月8日号がMiddle East and Africaのページで、それでも3ページ強にわたった大きなコラムで伝えるイラク北部のクルド人支配地域の現状は、日本語のメディアではなかなか目に出来ない、内容の濃いものになっています。実効支配地域と多数地域、そして支配権主…

乱の予感

9月8日号は、久しぶりに100ページ超の厚みで、Technology quarterlyが載っています。厚みだけではない時事性の高い記事が、夏休みシーズンの完了を知らせてくれます。ひとつはアメリカのイラク政策見直しにつながるかもしれない現地司令官の報告書について。…

教育の力

9月1日号のFace valueには、企業家ではなく教育者の青年が取り上げられています。南アフリカの貧しい若者を対象に「ほぼ無料の」ビジネススクールを立ち上げ、それが人材供給源としていまや各方面から注目を浴びるようになったという成功譚の持ち主。タディ…